「地球〜TERRA〜」へ込めた想い
初のセルフプロデュースアルバム
『地球〜TERRA〜』に収録された
珠玉の十曲を紹介していきます
01
天つ風
葦木啓夏 feat. AYER & Kento/作詞作曲:美咲
〜内なる風を立ち起こす歌〜
『天つ風』とは、地平線から太陽が昇る瞬間に生まれ空高く天を吹く風のこと。
どんなに暗闇が長く感じようとも開けない夜はありません。
己の中の太陽が昇りあまねく海原を吹き渡っていく風となり世界を包み込んでいく姿をウタにしました。
あなたの世界がどこまでもひろがっていきますように。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:
SOUL-T(Piano and Tracks) from “AYER”
MC Mystie(Norito) from “AYER”
Kento(Erhu)
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
02
マドンナの月
葦木啓夏feat. SOUL-T& Kento/作詞作曲: 美咲
〜海へ還っていった魂に捧ぐ歌〜
昼間の白い月のことを"マドンナの月"と呼ぶそうです。
2011年3月11日14時46分。東日本大震災が発生。
その一部始終すべてを、マドンナの月は見つめていたのかもしれない。
その月と私の想いが重なり生まれた、レクイエム(鎮魂歌)です。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:
SOUL-T(Piano and Tracks) from “AYER”
Kento (Erhu)
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
03
弁財天ノ唄
葦木啓夏 feat. MC Mystie/歌詞: 弁財天御真言
〜才能の在処は、自身を信頼するその泉から〜
芸術・芸能・才能開花・経済の豊かさをめぐらせる水と豊穣の女神、弁財天さま。シルクロードを渡り、インド(天竺)から伝来されました。
御真言を唱えられるのは仏教者のみ
という私の中の思い込みがありましたが、弁財天御真言を見つめた時にメロディが聴こえてきて、すでに歌となっていたので、流れるままに、Freestyle SessionでMC Mystieさんの奏でる水琴窟のような
ラブドラムの響きと倭禮音に包まれながら一発収録しました。
資格があるか無いかなんて関係なく、自分の中から溢れ出るものをそのままに流れを止めずにやってしまえば、新たな才能が開花していくのかもしれないし、その直感や自分を信じる事こそが、弁財天のハタラキそのものなのだと感じます。
Vocal: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:
MC Mystie(Norito and RAV Drum) from “AYER”
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
04
星仄か
葦木啓夏 作詞作曲: 美咲
〜仄暗いの雲の向こう側、希望の星を探して〜
葦木啓夏の活動名の前身 "美咲"時代の処女作。
2003年2月3日 17歳当時、性被害に遭いギターも何も持たず、丸腰しで松本駅前に立って歌い始めた私。
胸の中にあったものを吐き出し、いのちを震え立たせ、初めて路上に立った日の後わずか3日で生まれたこの曲はまさしく今の私につながる、人生の夜明けの歌。
仄暗い厚い雲に覆われた夜。あの雲の向こう側には、自分の望む世界へつながる希望の星が必ずあるはずだ。
その座標を真っ直ぐ見つめ、真っ暗闇の中であろうとも、とにかく突き進んでいこうという当時の私の不屈の精神が宿っている。
そのはじまりの一歩から20年。当時の私の苦しみも希望も抱きしめながら大切に歌いました。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
05
蓮華草
葦木啓夏 feat. Kento/作詞作曲: 美咲
〜渓谷と森はいつも、 あなたを優しく包んでいる〜
伊勢神宮の御用材が運び出される上質なヒノキの森・信州 木曽 上松町赤沢自然休養林。森林浴発祥の地でもあるその森で、疲弊した精神を癒すひと時を持つのが至福だった時期があります。
6月末頃には上皇后 美智子様がお好きだというオオヤマレンゲという白い花が森の中にひっそりと咲きます。
その花に会いに行った時、歌詞と曲が同時に湧いてきました。
レンゲと直接名付けるよりも、田んぼの畔に咲く蓮華草と名前を重ねることでより身近に歌をお守りとしてほしいと願った当時の意図があります。生きながらにして桃源郷を歩める秘訣を、二胡のメロディと共に、木曽の渓谷と森が優しくあなたに囁きます。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:Kento(Erhu)
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
06
傷の花
葦木啓夏 feat. Ryosuke Takada/作詞作曲: 葦木啓夏
〜20年言えずにいた心の叫びが歌となる〜
2003年2月はじめ。当時、高校2年生だった私は性被害に遭いました。
性はいのちそのもの。
大切な聖地を土足で踏みにじられた感覚でした。
私は汚れたんだと自尊心は傷つき、当時私が信頼していた大人に相談したら飲み話として言いふらされて二次的被害を受けました。人間不信になり、世の中を恨み、汚い大人を恨み、叫ぶように歌い始めた私から出てくる歌は、なぜか美しい自然の歌ばかり。
今思えば、本能的な事実回避と自己治癒だったのかもしれません。
2003年の出来事から20年経った2023年2月3日。
私はやっと、そうした事実があり歌い始めたのだと言葉にでき、性被害の後遺症のフラッシュバックやPTSDと共に歩んできた20年に焦点を当てた歌を生み出すことが出来ました。
実は、どんな怒りに満ちた作品が生まれるか怖かったのですが、出来た歌は自分の傷の体験を新たな世界を開く大地として生きるという強い意志が乗ったものでした。
誰もが生まれてきてよかったと思い合える世界をつくるために、今は、歌と言葉で人権や性被害・平和についての講演活動も始めています。
Vocal: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:Ryosuke Takada(Guitar) from “Clap, Stomp, Swingin”
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi ToriiRecorded
at ViVstudio, Yasaka
07
極楽歌
平安時代末期 歌集"梁塵秘抄"より
作曲: 葦木啓夏
〜差別されながらも旅をして祝事を生業とした巫女・白拍子たち。当時はどんなメロディで歌っていたのだろう?〜
平安時代に遊女や巫女・白拍子など、歌や舞いを生業として諸国をめぐり歩く女たちが歌い継いだ流行歌、それが「今様」です。
平安時代末期に"今様狂い"との異名を持つ後鳥羽天皇が、後世に素晴らしい歌を遺したいと『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』を編纂されました。時代を越え、和歌は残りましたが譜面が無いため、どんな鼓を鳴らし、笛を響かせ、拍子で歌い、舞を踊っていたのか…いまや神や仏のみぞ知る世界です。
「梁塵秘抄」極楽歌六首の一首に、当時を彷彿しながらメロディをつけました。
来世を想い歌い舞った当時の白拍子さん達が、少しでも微笑んでくれたらいいなぁと想像します。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi ToriiRecorded
at ViVstudio, Yasaka
08
地球〜TERRA〜
葦木啓夏 feat.AYER & Kento/作詞作曲: 美咲
〜酸素濃度が濃く全てが色鮮やかだった時代の
原初の地球を彷彿して〜
この歌が2003年4月、突如としてうまれたのは、世界180ヵ国に広がる4/22 Earth Dayの存在を知ったから。
当時高校2年生だった私は、人間界の闇にほとほと嫌気がさしていた。
そんな時に、世界、日本にも自分達が今生きているこの地球を想い、行動している人たちが沢山いることを知って、胸が躍る。
私が出会った大人はごく一部。素敵な想いある人たちと出会いたい。
そして私も、地球に対して想いを馳せて行動したいと願ったときに、酸素が濃い、古代の地球の姿が心象に浮かんだ。
その姿をスケッチするかのように「地球〜TERRA〜」は生まれた。
まるで化石を発掘するがごとく心の奥底から発見されたこの歌が、万物が繋がりあいながら生きる古代のきたるべき未来のinner visionとなりますように。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:SOUL-T(Piano and Tracks) from“AYER”
MC Mystie(Norito and RAV Drum) from “AYER”
Kento(Erhu)
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
09
祈り鶴
葦木啓夏 feat.SOUL-T & Nanaco
〜黒い雨に打たれて亡くなられた
佐々木禎子さんに想いを馳せて〜
79年前の8月6日。
原爆が投下された直後に降った黒い雨に打たれ、当時12歳で亡くなられた佐々木禎子さん。
「元気になって、またみんなで遊びたい」と千羽折ったら願い事が叶うとのジンクスを病室で聞き、折り鶴を折り続けました。
願い虚しく、禎子さんは旅立ちお見舞いに来ていた当時同級生だった子どもたちが、全国の子どもに募金を募り、二度と同じ過ちが繰り返されないようにと平和への祈りを込めてつくったのが平和記念公園に佇むモニュメント"原爆の子の像"です。
私は、小・中・高校時代、修学旅行で広島に行くことが叶わず、20歳を過ぎた頃にやっと自主的に訪れることができました。
"原爆の子の像"の前ではその時も日本中、全世界から訪れた方々が平和への想いをこめた千羽鶴や折り鶴を入れ替わり立ち替わり捧げられていました。
禎子さんや、かつて同級生だった子どもたちの想いは"折り鶴"を通し後世を生きる私たちの心の中に生き続けているのだ!と感じこの歌『祈り鶴』が生まれました。
大きな情勢を今すぐにどうにかは出来ないけれど。
自分の心の中から、この足元から大切な人、大切な今を大事にすると決めて生きること。
あたたかな世界を半径1mから生み出すことは出来ます。
共に、平和を想い、毎日を大切に生き行動していけたら幸せです。
Vocal & Guitar: Hiroka Ashiki
Guest Musicians:SOUL-T(Piano) from “AYER”
Nanaco Tarui(Violin)
Recording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi Torii
Recorded at ViVstudio, Yasaka
10
たからもの
葦木啓夏/作詞作曲: 葦木啓夏
〜本当に大切なものは 実はシンプルなのかもしれない〜
音楽活動を始めて20年。紆余曲折、いろんな事があったけれど改めて思うのは、今ここに自分のいのちがあって良かったなということ。
生きていなければ、大切な人と楽しい時間を過ごすことも出来なければ悔しい、悲しい、切ないなぁと1人で涙を流すことも出来ない。
すべては、生きているからこそ。
あなたのいのちわたしのいのち。
それは、"たからもの" なんだね。
Vocal & Guitar: Hiroka AshikiRecording/Mastering/Mixing:Tsuyoshi ToriiRecorded at ViVstudio, Yasaka